北海道YFEの活動記録 (北海道YFEアーカイブス)
札樽地区研修会(96年2月度)
発光分光分析装置について
解説:挙下レアメタル 鹿 毛 秀 彦

1.原理
A. 資料に光を出させるためのエネルギー(励起エネルギー)を加える。
B. 各元素が出した固有の線スペクトルを入光スリットから取り込む。
C. 光を回折格子で(波長)分解する。
D. 分解された光を元素の固有スペクトルのうち最適な(波長)位置にセットされた出口スリットから取り込む。
E. 取り込まれた光の強度を光電子増倍管(光電池)で電気信号に変える。
F. 得られた電気信号の値を、検量線から読み取り、機器分析値とする。

2.日常の操作手順
A. 電源を入れる。
B. Warming Up。
C. 装置の標準化〜2、3の標準化資料で 2回/試料 以上発光させて、その結果から装置の校正を行う。
D. 分析試料の種類に応じた検量線を選択する。
E. 分析試料をサンダーや専用研磨装置などで粗さの一定な発光面をつくる。
F. 分光機の発光スタンドにセットする。
G. 分析スタートボタンを押す。
H. 分析結果がモニターに表示(印刷)される。

3.検量線
 検量線は、金属の種類により、また同じ種類でも合金元素の含有割合で異なる。すなわち、鉄系、アルミニウム系、銅系に分かれ、かつそれぞれでさらに分ける必要がある。鉄系では、普通鋼、工具鋼、Cr鋼、Ni鋼、Cr-Ni鋼、Mn鋼、高Cr工具鋼、ステンレス鋼、鋳鉄などである。鋳鉄でも、ニレジストは別の検量線が必要である。
検量線作成手順
A. 公の機関および化学成分がしっかりしているところから市販されている化学分析値のついた試料セットを分析する金属の種類に応じて購入する。 (分析しようとする元素につき、3つ以上の含有量の異なる試料が必要)
B. 発光面を分析試料と同じ粗さに研磨する。
C. それぞれの検量線作成試料を発光スタンドにセットし、各元素の強度を測定する。
D. 得られた各元素の測定強度と化学分析値を統計処理し、検量線を算出する。

4.代表的元素の線スペクトルの波長
元素名波長元素名波長元素名波長
N149.2Cr267.716Ti337.280
C164.8Fe273.047Co345.351
P178.2Mo281.6Ni352.454
S180.7Si288.160Fe360.886
B182.6Mn293.306Ni380.714
Fe187.7Cr298.919Mg383.8
Sn189.9Al308.216Ca393.367
C193.0V311.071Al394.403
Sb217.5Nb319.498Pb405.78
Si251.612Cu327.396Cu510.554
Mn263.817Zn334.5

5.分析元素成分範囲の例
元素名分析成分範囲,%波長,nm
C0.001〜5.0193.09
Si0.001〜3.5251.6
Mn0.001〜2.0293.3
P0.001〜1.0178.3
S0.001〜1.0180.7
Cr0.001〜4.0267.7
Cu0.001〜2.0327.4
Ni0.001〜4.0352.4
Sb0.0005〜0.3217.5
Mo0.001〜3.0281.6
Sn0.001〜0.8189.9
Al0.001〜0.5394.4
Mg0.001〜0.12383.8
Zn0.001〜0.5334.5
Ti0.001〜0.6337.2
V0.001〜0.2311.07
Pb0.001〜0.2405.78

6.装置の選び方
装置選定のポイント
A.精度 〜分析値の再現精度と長期安定性
B.分光器 〜焦点距離、雰囲気、回折格子の溝数、台数..

7.その他
鋳鉄は鋼に黒鉛が分散した複合材料であるため、試料の採取には十分な注意が必要である。黒鉛が存在しない「白銑組織」にしなければならない。
検査機器の一つであるから、日常点検や定期点検を実施すべきである。

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